新学術領域「動く細胞と秩序」
公式HP 新学術領域
「動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成」
「動く細胞がいかにして周囲と対峙し両方向性に作用しあうことで細胞集団・組織に秩序がもたらされるか」について理解を深めることを目指す新しい学術領域です.
ゆらぎ・自由度を生来的に内包する個々の細胞および集団の「動き」が,いかに「場」による拘束を受けまた「場」に働きかけながら,ひずみや障害を解消し柔軟かつ頑強(ロバスト)な調和状態に至るのか,その原理の解明を推進します.本年度(平成22年度)から5年間のプロジェクトです.
宮田が領域代表を勤めています。
<領域立ち上げに向けての想い>
宮田は、脳形成の原理に挑み始めたばかりの90年代、ニューロンなど分化細胞の産生源である神経前駆細胞の挙動を「低密度培養法」という方法で調査した。それは脳原基の分解すなわち本来の三次元世界の崩壊によってプラスティック皿上に得られる個別観察性に基づいてのなかば半強制的な能力検査であったため、その後、彼らの「本来の生活」をこそ調査すべく、三次元培養法・組織中イメージングを開発してきた。そして神経前駆細胞「個」の「組織中の動き」をようやく扱えるようになったことで新たな問いが現れた。それが今回の領域発足をめざすうえでの個人としての学問上の原動力となっている。細胞たちが自らも含めた「場」とどう向き合い、「奔放さ」を忍ばせ密かに活かし、折り合い、秩序に至るのか、「動こうとする個たちが集いながらいかに全体の形やはたらきが生まれてくるのか」を問い、自由な発想のあふれる若人を多く惹き付けられるような新しい研究領域を育てたい。
News
2012.1.27 名古屋大学医学部講堂にて公開シンポジウム「動く細胞と場を読む」を開催しました(新学術領域「動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成」主催.当研究室が現場担当).
協賛いただきました木下理化ほか関係者の皆様に感謝申し上げます.
公開シンポジウムの様子です。