生体の科学

2014年06月号 (通常号) ( Vol.65 No.3)

特集 器官の発生と再生の基礎

特集によせて

藤田 道也

多機能幹細胞から臓器へ

 -Blastocyst Complementation法

村山 秀之・他

ES細胞・iPS細胞を用いた発生分化の研究と再生医学への応用

坂野 大介・他

脳形成を下支えする神経前駆細胞の核移動

宮田 卓樹・他

大脳新皮質におけるニューロンの数と種類の制御

遠藤 垂穂・他

成体ニューロン新生における血管の役割

澤本 和延・他

網膜の発生研究と再生医療への応用

渡邉 哲史・他

T細胞分化を司る胸腺の器官形成と機能

香西 美奈・他

肝再生の分子細胞生物学

江波戸 一希・他

肝臓構築・機能発現における細胞間相互作用

塩尻 信義

ヒト腎臓再生への挑戦

人見 浩史・他

器官形成を導く先端細胞での細胞骨格制御機構

金 憲誠・他

イモリ心臓再生機構の解明を目指した遺伝子機能の研究モデル確立

林 利憲・他

プラナリアにみる個体再生の細胞・分子生物学的基盤

柴田 典人・他

 

細胞工学 Vol.33 No.6 

2014年6月号

動く細胞・群れる細胞

 

発生・免疫・がんにおける「個」から「集団」レベルの細胞動態を追う

監修 宮田卓樹

 

【Overview】

宮田卓樹

 

【各論】

【第1部】自発性・自律性

ゆらぎの伴うシグナル伝達系による走化性細胞のロバストな勾配センシング

柴田達夫,西川正俊,上田昌宏

 

ゼブラフィッシュ胚クッペル胞を作る自律的な細胞集塊形成

松井貴輝

 

リンパ球の高速移動を制御するリンパ節組織支持細胞ネットワーク

片貝智哉,木梨達雄

 

【第2部】細胞外環境

がん細胞の浸潤・転移を促進するがん微小環境:がん内線維芽細胞を例に

松村優子,伊藤恭彦,折茂 彰

 

分泌型ADAMTSメタロプロテアーゼによる基底膜と細胞移動の制御

西脇清二

 

動く大脳新皮質ニューロンの移動終点におけるリーリンの機能

仲嶋一範

 

管腔形状の最適化機構:

伸長する上皮細胞と細胞外マトリックスの弾性が決める気管のかたち

林 茂生,董 波

 

【第3部】ふぞろいさと秩序

感覚器を作る細胞の動態と相互認識の仕組み

富樫 英

 

側板中胚葉の器官形成と上皮-間充織転換

吉野剛史,高橋淑子

 

血管づくりに秘められた細胞集団の挙動

西山功一

 

神経前駆細胞の空間的安寧を支えるヘテロ物流

岡本麻友美,篠田友靖,宮田卓樹

 

「脳の発生学」(化学同人) 山本亘彦先生(大阪大学)と宮田が共同編集.国内の専門家先生方(敬称略)により: 

★Part I「神経系づくりの黎明」1章 神経誘導,中枢神経系の形成とその領域化(仲村春和),2章 神経系前駆細胞(宮田卓樹),3章 細胞運命決定の分子機構(伊藤靖浩・後藤由季子), 

★Part II「細胞分化と組織構築」4章 ニューロンの移動と層および神経核の形成(仲嶋一範),5章 ニューロンの極性化を担う細胞内シグナル経路(稲垣直之),6章 ニューロン分化・形態的成熟,樹状突起パターニング(榎本和生), 

★Part III「ネットワークの形成」7章 軸索投射のガイダンス,トポグラフィックマップ形成(新明洋平・田中英明),8章 神経活動依存的な神経回路形成(山本亘彦),9章 シナプス形成(岡部繁男), 

★Par IV「神経系発生の多様性ーさらなる役者たち」10章 末梢神経系の発生,神経堤とプラコード(若松義雄),11章 脳発生における細胞死(宮沢英延・山口良文・三浦正幸),12章 グリア細胞の発生(小野勝彦・伊藤 啓),

★Part V「神経系発生の進化と展開ー発生ドラマの来し方行く末」13章 成体におけるニューロン新生(澤本和延),14章 脊椎動物の脳の進化(村上安則),

★解説「ES細胞からの『脳』形成」試験管のなかで脳発生を再現する(笹井芳樹).

 

再生医療叢書「神経系」(朝倉書店:岡野栄之先生・出澤真理先生による編集)の分担執筆(宮田:「2.神経系発生過程における細胞移動」2.1 神経系の形態形成の初期過程における移動.2.2 胎生期の脳壁における移動. 2.3 遺伝子や細胞の導入による治療の可能性).